埋もれた才能を世に出す
ハンドメイドマーケットプレイス
埋もれた才能を世に出す(日経ビジネスNo2078)を読んで
これらの3社は、ハンドメイドマーケットプレイス、簡単にいえば個人の手作り作品を販売仲介する事業です。誰もが簡単に出品できますし、仲介手数料も販売金額の10%程度ですのでお手軽なスタートも可能です。
クリーマは2009年設立、20年11月に東証マザーズに上場しました。2021年2月通期では20億円に迫る売り上げが見込まれています。クリーマの発端は、作家の中には本当に認められるべき才能ある人たちがたくさんいるのに世間から目に止まることがないという問題意識でした。確かに芸術や工芸作品の分野は才能を図る尺度がなく、なかなか世の中に知られる機会がないのは事実でしょう。打開するためには、作家が自分を売り込むためのフィールドと、その作品を直接お客様に届けるサービスが必要でした。それがクリーマの始まりです。
その一方で集客は極めて難しい状況でした。まずパソコンで検索してクリーマのサービスに行き当たったとしても、お客様はその作家を知らない、信用できない、価格と価値のバランスが見えない等々で全く売り上げにつながらない状況が続いていました。今でこそ、Creemaに続きminne、BASEと同様のサービスが特色を持ちながら展開されてきていますが、どのようにしてお客様の集客が難しい状況を切り抜けてきたのでしょうか。そこには3つのキーワードがあります。
マーケットプレイス集客のための3つのキーワード
クリーマの経験値を3つのキーワードでまとめてみました。
①作品の質を高いレベルで維持する
②ネットとリアルの融合
③スマホアプリによる使いやすさの追求
それぞれを見ていきます。
①については、当初、知人や美大教授を介して出品者を確保、また個展に通って勧誘するという方法で質の高いラインアップを確保していました。これにより当初からプロやセミプロクリエーターを募って売買を拡げることができるようになりました。それが功を奏して現在では質の高い作品が自然と集まる質の高いコミュニティーが出来上がっていると考えられます。企業としても、全商品を社員がチェックして権利侵害がないかどうかの確認をしており、信頼性を高めているとのことです。
②はやはり現物確認の方法が必要でした。都市部の百貨店、遊歩道、歩行者天国等で展示即売イベントを積み重ね、質の良いオンリーワン商品のファンを増やしていきました。
③についてもスマホアプリの導入や使いやすい仕組みを構築し、ちょっとした空き時間にでも見てもらいやすいようにしました。
今後の展開
従来のオンラインやイベントでの販売手数料だけではなく、クリエーターをさらに支援できるようにサービスの枠を広げていくとのことです。例えば、クリエーターの製作資金を調達するクラウドファンディングサービスや、オンラインでのワークショップ等が企画されています。さらに、ハンドメイド製品にとどまらず、音楽作品や美術作品のクリエーター支援にも乗り出すとのことです。
マーケットプレイス集客のための3つのキーワード
①作品の質を高いレベルで維持する
②ネットとリアルの融合
③スマホアプリによる使いやすさの追求
新たなマーケットプレイスの企画は様々です。
ぜひ、自社の業態と言葉に置き換えて考えてみていただければと思います。
以上
東出 和教
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